黒色配合染料の魅力

黒色配合染料の魅力

<1.一般的な黒色染料>

染料や有機顔料は、単一化合物で黒色となる着色剤は未だ知られていません。
これは染料が樹脂中に分子レベルにまで分散しているため、分子の吸収特性がそのまま現れるためです。
個々の分子にはそれぞれの特有の波長を吸収する特性がありますが、1種類の分子だけで可視光線域を広範囲に等しく吸収するような複雑な構造を持つ物質を作ることが困難だからです。
そのために黒色の染料といっても、実際には単一化合物ではなく、2種類か、あるいはそれ以上の異なる色の化合物の混合物からなります。
これは市場や文献では単一構造として紹介されていますが、実際には多成分の構造から成ります。
したがって、黒色を示す着色剤もそこから個々の成分を分離してみますと、赤色や緑色等の鮮やかな成分の混合物であったり、あるいは数種類どころではなく、数え切れないくらいの他種類の色調の成分もしくは誘導体からなっているのがわかります。
また黒色の染料とはいっても、その濃度を下げていくと、底色が見え始めます。
黒色を希薄にしていっても灰色つまり無彩色になるのではなく、茶色や暗緑色等の主体色素成分の色調になっていったりします。
底色が無彩色であれば、添加濃度を上げる事により明度を調整し使用できるため幅広い濃度範囲で色調を変化させる事が出来ます。

<2.NUBIAN BLACK PC-5857>

無彩色を底色として重視した黒色染料を製造するためには、濃度を調整した場合においても安定した色調となることのために、よりいっそうの厳密な色調の品質管理が必要で重要となります。
このような黒色染料は、工場で生産するときには、厳密に原料の色素と生産ロットごとに色調が変化しないようにするためには、さまざまな工夫と配慮が必要です。
各原料色素成分となるその配合比率が重要なことはいうまでもないことですが、安定した色調のものを生産するためには、各原料色素成分の同比率で混合(配合)したというだけでは十分とは言えません。
人間の視覚は、個人差はあるものの色調を感じる力は非常に鋭敏で、個々の染料のわずかな色調の変動でもその差異を感じ取れる事が原因です。
また配合方法についても、混合すれば均一になるというものではなく、各原料色素の粒子違いなどを無視することはできません。
例えるならガラス瓶に砂を詰めて揺らすと、全体が均一にならずに、大きい粒が上のほうに来ることを経験されたことはないでしょうか。
異なる粒子を完全に混合するのは容易ではありません。
有機着色剤において染料と顔料とでは、その粒径は差異があり、顔料は良く分散するように加工が施され細かい粒子として管理されておりますが、染料は樹脂に溶解してしまう事を想定しており大きい粒子形で生産されております。
したがって顔料は顔料、染料は染料のみで混合することが望ましいのですが、実際には多くの黒色染料と呼ばれていてもカーボンブラックや他の有機顔料が混ぜらて使用されております。
この理由として色相調整の目的だけでなく、物性面の向上やカーボンブラックを混合することでコストを下げもしくは、カーボンブラック等の分散効果を得るなどの利点があります。
一方、市場に出回る黒色染料を用いる顧客の側でも、ユーザーの要望に応えるために再度、色調の調整(調色)を行い他の染料やカーボンブラック追加添加したりして使用されているようです。このような課題や問題点を低減するために、カーボンブラック等の無機顔料を含まない染料のみで色調を安定させて底色を無彩色色とする目的で開発された製品がNUBIAN BLACK PC-5857です。

NUBIAN BLACK PC-5857は従来の市販されている黒色染料系着色剤とは異なり、 例えばポリカーボネート樹脂などで着色した場合、添加量0.005%でも底色は見えず、濃度を下げていくとそのまま無彩色な透明感が得られます。
また、市販の黒色染料の中でも耐光性・耐熱性に優れており、また安全性も高く、食品容器の着色に使用できるポジティブリスト(ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主基準)にも既に登録されております。

 

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